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06.05.10:57 らいおんハート |
徒歩通勤を始めて早や2ヶ月。
結果はおのずとついてくるもんだ
どんなことがあってもなるべく歩いて帰るようにはしているが、
営業が遅くなってしまった時など、足が棒のようになり、どうにもならない時は市電のお世話になることもある
足をトントンとマッサージをしていた
昼前の健軍行き電車は陽だまりの中を走る。乗客は少なく横がけのシートは僕ひとりだ。のんびりと揺られて心がとても安らいだ。
向かいのシートには若いママさんが座っている。べビーカーの赤ん坊がクリンとした瞳で僕を見つめていた。
赤ん坊は男の子だった。"まーくん"と呼ばれていたから、"まさき"とか"まさひろ"とか、マシューマコノヒー"とか、そんな名前だろう。
まーくんは赤ん坊ながらに『いい顔つき』をしていた。きっと美人のママに似たんだろう。いいかまーくん君は将来、僕のようなナイスガイになってたくさんの恋をするだろう。でも本当の恋はひとつだけなんだ。君はやがてきっと巡り合う、君のママに出会った僕のようにね・・・。
~ありきたりな恋 どうかしてるかな~
電車は交通局前に停車して時間調節をしている。その間、ずっとまーくんが僕を見つめていた。僕はまーくんをあやそうと、ポケットから鳩を出したり、腹話術をしたりしていた。
まーくんは芸に厳しく時代遅れのネタにクスりとも笑わない。それどころか泣きそうな顔をしていた。僕は慌てて、次々にパントマイムやコサックダンスをしてみるものの、ついにまーくんは泣き出してしまった。
「あららお腹空いちゃた?もうちょっと待ってね~。」
美人ママさんはまーくんを膝の上に乗せ抱きかかえた。くそ!僕が泣けばよかった・・・。ママに抱かれたまーくんが僕を見て勝ち誇った顔をしている。どうやらライバルと認められたようだ。
電車が大きく揺れて、空のベビーカーが僕のところに転がってきた。僕はさっと手を伸ばしベビーカーを押さえる。
「ありがとうございます。」
ママさんが僕に言った。まーくんが僕を睨みつけている。僕はまーくんの視線を尻目にママさんに話しかけた。
「可愛いですね~。」
「ありがとうございます。まーくん、よかったね、可愛いって。」
「いえ、貴女のことです。」
ママさんは頬を紅く染めはにかんでいた。
僕はまーくんを見てニヤリと笑った。
さて・・・今日は土曜日。
素敵な出会いがありそうだ
結果はおのずとついてくるもんだ
どんなことがあってもなるべく歩いて帰るようにはしているが、
営業が遅くなってしまった時など、足が棒のようになり、どうにもならない時は市電のお世話になることもある
足をトントンとマッサージをしていた
昼前の健軍行き電車は陽だまりの中を走る。乗客は少なく横がけのシートは僕ひとりだ。のんびりと揺られて心がとても安らいだ。
向かいのシートには若いママさんが座っている。べビーカーの赤ん坊がクリンとした瞳で僕を見つめていた。
赤ん坊は男の子だった。"まーくん"と呼ばれていたから、"まさき"とか"まさひろ"とか、マシューマコノヒー"とか、そんな名前だろう。
まーくんは赤ん坊ながらに『いい顔つき』をしていた。きっと美人のママに似たんだろう。いいかまーくん君は将来、僕のようなナイスガイになってたくさんの恋をするだろう。でも本当の恋はひとつだけなんだ。君はやがてきっと巡り合う、君のママに出会った僕のようにね・・・。
~ありきたりな恋 どうかしてるかな~
電車は交通局前に停車して時間調節をしている。その間、ずっとまーくんが僕を見つめていた。僕はまーくんをあやそうと、ポケットから鳩を出したり、腹話術をしたりしていた。
まーくんは芸に厳しく時代遅れのネタにクスりとも笑わない。それどころか泣きそうな顔をしていた。僕は慌てて、次々にパントマイムやコサックダンスをしてみるものの、ついにまーくんは泣き出してしまった。
「あららお腹空いちゃた?もうちょっと待ってね~。」
美人ママさんはまーくんを膝の上に乗せ抱きかかえた。くそ!僕が泣けばよかった・・・。ママに抱かれたまーくんが僕を見て勝ち誇った顔をしている。どうやらライバルと認められたようだ。
電車が大きく揺れて、空のベビーカーが僕のところに転がってきた。僕はさっと手を伸ばしベビーカーを押さえる。
「ありがとうございます。」
ママさんが僕に言った。まーくんが僕を睨みつけている。僕はまーくんの視線を尻目にママさんに話しかけた。
「可愛いですね~。」
「ありがとうございます。まーくん、よかったね、可愛いって。」
「いえ、貴女のことです。」
ママさんは頬を紅く染めはにかんでいた。
僕はまーくんを見てニヤリと笑った。
さて・・・今日は土曜日。
素敵な出会いがありそうだ
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