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ボストンシェーカーのつぶやき

銀杏北通り、三駒ビル地下にて営業しておりますBar Failteです
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  • 05/20/00:12

06.05.10:57

らいおんハート

徒歩通勤を始めて早や2ヶ月。
結果はおのずとついてくるもんだ

どんなことがあってもなるべく歩いて帰るようにはしているが、
営業が遅くなってしまった時など、足が棒のようになり、どうにもならない時は市電のお世話になることもある


足をトントンとマッサージをしていた

昼前の健軍行き電車は陽だまりの中を走る。乗客は少なく横がけのシートは僕ひとりだ。のんびりと揺られて心がとても安らいだ。

向かいのシートには若いママさんが座っている。べビーカーの赤ん坊がクリンとした瞳で僕を見つめていた。

赤ん坊は男の子だった。"まーくん"と呼ばれていたから、"まさき"とか"まさひろ"とか、マシューマコノヒー"とか、そんな名前だろう。

まーくんは赤ん坊ながらに『いい顔つき』をしていた。きっと美人のママに似たんだろう。いいかまーくん君は将来、僕のようなナイスガイになってたくさんの恋をするだろう。でも本当の恋はひとつだけなんだ。君はやがてきっと巡り合う、君のママに出会った僕のようにね・・・。


 
~ありきたりな恋 どうかしてるかな~



電車は交通局前に停車して時間調節をしている。その間、ずっとまーくんが僕を見つめていた。僕はまーくんをあやそうと、ポケットから鳩を出したり、腹話術をしたりしていた。


まーくんは芸に厳しく時代遅れのネタにクスりとも笑わない。それどころか泣きそうな顔をしていた。僕は慌てて、次々にパントマイムやコサックダンスをしてみるものの、ついにまーくんは泣き出してしまった。



「あららお腹空いちゃた?もうちょっと待ってね~。」



美人ママさんはまーくんを膝の上に乗せ抱きかかえた。くそ!僕が泣けばよかった・・・。ママに抱かれたまーくんが僕を見て勝ち誇った顔をしている。どうやらライバルと認められたようだ。

電車が大きく揺れて、空のベビーカーが僕のところに転がってきた。僕はさっと手を伸ばしベビーカーを押さえる。



「ありがとうございます。」



ママさんが僕に言った。まーくんが僕を睨みつけている。僕はまーくんの視線を尻目にママさんに話しかけた。



「可愛いですね~。」



「ありがとうございます。まーくん、よかったね、可愛いって。」



「いえ、貴女のことです。」



ママさんは頬を紅く染めはにかんでいた。



僕はまーくんを見てニヤリと笑った。





さて・・・今日は土曜日。

素敵な出会いがありそうだ
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